今はたくさんのメールマガジンというものがありますが、ぱぴ・ぱんはいわゆる広告や宣伝のためだけの、
メールマガジンというものにどうもなじめないようです。
街の小さなパン屋さん
ヨーロッパではいたる所にパン屋さんがあり近隣のひとたちのためにだけ、パンを焼いていました。明日のためのパンを、毎日毎日、雨の日も風の日も、ただだだ焼き続ける。それがアルチザン・ブーランジェ(パン職人)であり、ぱぴ・ぱんが大切にイメージしているパン屋の心象風景です。
携帯電話・インターネットの時代。通信販売で全国のパン屋さんのパンが買えるようになり。毎日見る新聞の折込チラシに全国お取り寄せのパンがきらびやかに出ています。フランスや東京の有名店のパンも百貨店で購入できます。今では日本のパンは高級なファッション品のようになりました。お客様がパンを選べる時代になったことは、日本のパン文化にとって素晴しいことだと思います。
それでも、そんな時代にも、手を抜かず決して大きくはないけれど、昔ながらの製法で、良質で安全な素材を使い毎日お客様の笑顔を思い浮かべながら日々のパンを焼く小さなパン屋さんが、あなたの住んでいる街のすぐそばにあったとしたら・・
じつはそんなパン屋さん。結構あるんです。
ただ、パン屋さんは朝から忙しい、手作りになればなるほど忙しい。毎日ご来店されるお客様のためにパンを朝から作り続けるだけで、あっという間に一日が終わってしまいます。夫婦2人でやっているような小さなパン屋さんは、朝から晩まで文字どおり、身を削って日々パンを作っていると思います。
一人で製造と販売を同時にこなさなければならない小さなお店は、どうしてもお客様に伝える。知ってもらう、というところまで行きつきません。
もっとお伝えしたいことがあります。
早朝から(朝早ければ1時とか2時から。ぱぴは4時半からです)体を使ってはたらくパン職人の世界は、よく見ると今の時代に見落とされがちですが、とても大切なメッセージが含まれているように感じます。
日が昇る前にパン屋は起きて仕事に出かけます。日が暮れるとパン屋は寝ます。お昼もとうに過ぎるまではたらいて、自分の食べるものは立ったまま、おにぎり一個とかで(ぱぴは一時間座ってお昼ごはんを食べますが・・)午後からは翌日のために仕込み、明日の準備とその日の後かたづけ。あっという間に一日が過ぎていきます。
例えば、今パン屋をめざして修行している若者たちが早朝から閉店まで、毎日おいしいパンを焼くために笑顔をキープしながらがんばっているはなし。(独立を目指し真剣に働く当店のスタッフは夢と希望だけでパンが焼けるレベルの高いブーランジェの卵たちです)
そういう彼らのことや、もしかしたら彼らも登場しながら、日々のパン作りのはなし、素材のこと、フランスなど世界のパン屋さん事情から、プロのパン屋が持っているたくさんの経験・知識や情報を、もっともっとお伝えしたいなぁと思っています。なぜって言うと、それがまた、ぱぴ・ぱんのパンをおいしく食べていただく大事な要素だと考えるからです。
わたしたちのパンにはひとつひとつストーリーがあります。一個一個どのパンも長く愛されるようにと思いを込めて作っています。手作りとは、手で作っているからおいしいのではなく、作り手のどのような想いがパンに乗っているかでその価値が決まる。たとえばもし、毎日パンを作る厨房で、疲れ切った顔や怒鳴り声、ため息や、無関心、無愛想な不協和音が流れていたら・・・
そんなところで出来た手作りパンならむしろ大きな工場で作られた、機械まかせの加工パンのほうがよっぽどおいしいと、ぱぴ・ぱんは思っています。直接手に触れないだけ機械には、人間のマイナスの想いは乗っからないですから。ヘンな話と思われるかもしれませんが、こういうことは、ぱぴでは毎日スタッフと当たり前のようにはなしていることなんですよ。
世の中の風潮は手作りだから美味しいとか、無添加だから体にいいとか、表面的な言葉のイメージだけでとらえている部分がありますが、今の時代に本当に大切なものはなんでしょうか・・・心のありようかもしれません。
本来人間が持っている明るくて、やさしくて、暖かくて、丸くて、穏やかで、清くて、涼やかで、しなやかで、やわらかい心。食べ物だけでなく、すべての物・事・人。生きとし生けるもの存在するすべてに良い影響を与えることができる、そういうものを「まごころ」というのかもしれません。
作り手は原料や素材、技術や経験などに重きを置くのは当然ですが、パンを作っている作り手の心の状態をよくよく考えなければなりません。「お味」というものは表には見えないその心から始まっていることを忘れてはいけないと。少なくとも私達はそういう心の管理もパン作りの大切な要素だと考え、日々トレーニングを欠かしません。素材とか、製法とか、技術とかそういうものは、その後にくるものと考えています。
それが、お客様の体に入るものを手作業で作っている者の、一番大事な責任だと考えています。
21世紀は心の時代
昨今大手の製品管理不祥事が相次いでいるのも、20世紀に心をどこかに置き忘れてきてしまったことが原因であるかもしれません。
フランス人作家サンテグジュペリの「星の王子さま」に出てくる、きつねが小さな王子さまに教える有名なセリフをご存知でしょうか。
「大切なものは目に見えない」
この言葉の意味を私たちはいつも考え、忘れないようパン作りに励みます。
なんだかちょっと熱くなってしまいました。こんなことも時々お伝えしたい内容のひとつなのかもしれません。
お店ではなかなかお話できないことです。そしてまた、こういった突っ込んだお話を、顔の見えない不特定多数の方に向かってお話することは、ちょっと、どうかなーとも思います。
少なくとも一度はお店でお顔を会わせた人に。またはぱぴのパンを食べておいしいなっと思って頂いた方に、そして出来れば顔とお名前が一致する方に向かってお伝えできたらと思いました。
~豊かな食生・活豊かな人生~
24時間、お客さまの御用聞き
巷のメールマガジンと違うのは登録時に、お客様がどこにお住まいのどなたかということをお知らせしていただくことです。(もちろん番地まではお聞きしません)
一応はお互いがお互いを認知しあっている関係で配信をさせていただく。
どんなにインターネットの世界が発展しても、ぱぴ・ぱんはリアルに人と人との体温を感じていたいというのが、匿名ではないメールマガジンにさせていただいた理由です。例えインターネット上での関係でも、たったこれだけで意識がまったく違います。
今ではもうほとんどなくなってしまいましたが、我が家では小さい頃はお米はお米屋さんから買っていました。お米がなくなってくると、ちょうどいい具合に、「お米そろそろどうですか~?」と裏口をたたいてくれる。
お米屋さんは我が家専属の御用聞きのような存在でした。
お正月のお餅なんかも当然お願いすると持ってきてくれました。
時代の移り変わりとともにそういった街の小さな専門店は姿を消し、いつの間にか大型量販店で購入するようになりました。
便利だから、割安だから。確かにそういう理由もあります。
小さくても元気な街の商店街が近くにないと、どうしてもそうなってしまいます。
店の店主やスタッフのうんちくなんか聞きながら、季節の話をしたり、しばらくぶりのお客さんと、お子さんの成長の早さにびっくりしたりしながら商売(あきない)をする。
専門店が立ち並ぶ街の商店街はとても楽しいものです。今は時代の流れでそんなお店が少なくなりましたが、ぱぴはそんな小さくてもお元気な街の商店でありたいとおもっています
そんなのどかだった子供時代のことを考えています。
願わくばこのぱぴレターが形を変えてお客様おひとりおひとりと、街の小さなパン屋のホットラインになってくれたらいいなと思います。
フランスなどヨーロッパの国々では、むしろ日曜日の青空市場や街角に個人商店がが多く立ち並び、旅をすればそれぞれが魅力的に写ったりします。どんな時代になっても人と会って買い物をする。
その素晴らしさをぱぴ・ぱんは大切にしたいと思っています。それと同時に、伝えたい時に伝えられない歯がゆさをいつも感じています。
あのお米屋さんのようにちょっと裏口の扉をノックして「こんにちは、毎度です!」といいながら、パンにまつわる世間話なんかができたら。あれがおいしかった、あれが楽しかった。時にはこんなパンが出来ましたとお伝えできたら、
いつもいつもお得な情報ばかりではないかもしれません。ついつい無駄なお話をして帰ってしまうかもしれません。それでも、顔と名前がわかっていて、あの人だからと笑って許しあえる、そんな小さな街のパン屋とお客様とのあたたかい関係を作れたら・・・
笑顔と元気な挨拶があふれていた
むかしの懐かしい商店街をメルマガで再現できたら
「おはよう!」
「行ってらっしゃい!」
「こんにちは!」
「毎度ね!」
「今日もいいパンあるよ!」
「あーお帰りなさい!」
「また明日ね!」
通勤通学の行き帰りのお父さんやOL・学生さん
子育て奮闘中のおかあさん。
みんなが通りがかる、商店街の一角の小さなパン屋で
微笑みや満面の笑顔そして元気な挨拶があふれていた
あの風懐かしい風景をこのインターネットを使って再現してみたい。
そんな思いを込めて、ぱぴレターを書こうと思います。
お客様のお返事も楽しみに待っていたいと思います。このメルマガはお客様とぱぴ・ぱんを24時間365日結ぶホットラインです。
ぱぴ・ぱんとしてはいつもご愛顧いただいているご近所のお客様にこそ、ぜひぜひご登録をお願いしたいと切に願っています。また、初めてのお客さまや遠方のお客様でも、こんなことを考えている街の小さなパン屋にご賛同いただける方でしたら、どなたでも、ぜひぜひご登録をお願いしたいと思っています。
以下に、ぱぴレター登録の詳しい説明をさせていただきます。ご賛同いただけた方のみのご登録をお願いいたします。お買い得情報など必要最小限の情報だけで結構という方には、多分ご満足いただけないと思いますので登録はご遠慮くださいね。
最後になりましたが、この長い文章を読んで頂き 本当にありがとうございました。ここまでお付き合くださったお客様とぱぴレターで、お会いできることを心から願いお待ちしています。
ありがとうございます。
感謝
ぱぴ・ぱん店主 笠間けんせい 拝
2007年9月30
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